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第一章・15

 土を運んではキツイと愚痴り、肥料を与えては臭いと罵り、剪定した枝に足を取られては危ないとぼやいていた陽だったが、その顔つきはとても明るく生き生きとしていた。 「ね、衛先生。帰りにクレープ奢ってよ」 「帰宅時の買い食いは、校則違反だぞ」 「衛先生と一緒だから、いいんだもん。先生が食べろっていったから、仕方なく食べるんだも~ん」 「こんな時だけ、先生扱いか。困ったヤツだな」  二人でおやつをパクつきながら家路を歩く毎日が、日課となっていた。  楽しい日々が、続いていた。  こんな日々が、いつまでも続くと思っていた。

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