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第一章・17
遅刻に、不登校に、授業のサボり。
喫煙に、飲酒に、挙句の果ては怪しい薬物にまで手を出し始めていたらしい。
「さすがのアタシも、その時はカンカンになって叱ったわよ。まだ若いのに、そんな地獄に堕ちちゃダメ! ってね」
陽が問題を起こすたびに、この左近が何とか庇ったおかげで退学にならずに済んだのだ、とは、幾度か話をするうち衛も気づいたところだった。
「単位も出席日数も足りなくって、結局留年。年下の新入生と、もう一度1年生のやり直し、って決まった時には随分荒れたわ。あの子」
そして2度目の1年生を迎えるところで、衛に出会った。
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