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第一章・18
これも何かの縁だったのか、と今になって衛は思う。
友達もおらず、家にも居つかず、何にも興味を持てないまま、ふらふらと根無し草のようにさまよっていた陽。
そんな彼が、なぜか自分に眼を付けて、やけに絡んでくるようになった。
主任教諭は、橘を真っ当な道に戻すまたとないチャンスだ、と衛にやたら生徒指導をけしかけてきた。
しかし彼は、この自由気ままな美しい猫を、狭い規律や成績の檻に閉じ込める気にはなれなかった。
好きにすればいい。そして、自分の教えている生物学……、特に植物に面白さを感じてくれたのなら、それでいい。
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