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第二章・5

 衛の影が瞼に落ち、陽はゆっくり眼を開けた。 「おはよう」 「……遅い」  不機嫌そうな声を吐き、陽は身を起こした。  衛の姿を、上から下までじろじろと眺め、ふん、と鼻を鳴らしてにやりと笑う。 「やっぱり」 「やっぱり、とは何だ」  くっくっ、と笑いながら、陽は彼に腕を伸ばしてきた。 「僕が、貰ってあげる」 「何を?」  鈍いなぁ、と半ば嘲りのような声をあげ、陽は衛の白衣のボタンを上から順に指先でつついて笑った。

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