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第二章・10

「衛……先生」  その言葉ごと味わうように、衛は柔らかな陽の唇を吸った。  軽く吸って離し、彼が拒絶しない事を確認すると、深く貪った。  大人のディープ・キスを、陽はすでに知っていた。  咥内に忍び込んできた衛の舌に自分の舌を絡ませると、愛おしげに擦り付けてきた。  誰がこいつに、こんな事を教え込んだのやら。  そう思うと、妬けた。  唇を離すと陽はもっと欲しそうな顔をしたが、嫉妬心からくる意地悪で衛はそのままはだけた首に、肩に、胸に唇を当てては吸った。  掌で、その滑らかな肌の感触をじっくり味わいながら、舌を伸ばし唾液で散々彼の肌を汚した。 

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