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第二章・22

「衛先生は、ずうっと僕だけのものなんだからね」 「お前こそ、心変わりなどするんじゃないぞ」  陽はようやく、笑顔になった。  だが、心の中には一つだけ雲がかかっていた。 (結局、言えなかったな)  好きだ、って。  衛先生、大好きだ、って。  それでも衛は陽を抱いて、その髪をいつまでも撫でてくれた。  二人で囁き合いながら、甘いひとときを味わった。  二人で創った温室で、その愛を確かめ合った。

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