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第二章・27
「衛先生!」
「久しぶりだな、陽」
随分大人びたものだ。
あの頃は、まるでやんちゃな少年だったのに。
しかし、その美しさは変わらない。
煌めく瞳の輝きも、あの頃のままだ。
「会いたかったぞ」
「衛先生……」
ソファから立ち上がり、駆け寄ってくる陽。
彼を全身で受け止めようと、衛は大きく両腕を広げた。
バッチィイイイインンンンン!
胸に飛び込んでくる代わりに両手挟みビンタをかまされ、衛の耳はキンキンと鳴り響いた。
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