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第二章・30

「衛先生、好き! 大好き!」  言えた。  やっと、ようやく言えた。  衛先生、大好きだ、って!  あぁ、そして始まりは、またここから。  今度は新しいソファに身を沈め、二人はこれから始まる新しい世界への扉をひとつ、開き始めた。  あの時より少しだけ眩しい、春の日の事だった。

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