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第三章・2

 これでいつも、いつまでも衛と一緒にいられる!  共に寝起き、食事をし、他愛ないおしゃべりをし、そして時には喧嘩するんだ。  夢を乗せた鍵をまわすと、かちりといい音が響いた。  ノブに、手を掛ける。袖にガラスの入った、片開きのドア。  金属製だが流線型のデザインが入っているため、柔らかな印象を受ける。  陽は最初おそるおそるドアを細く開け、それから勢いよく開き放った。 「痛ッ!」  ガッ! と音がして、見ると衛が額を押さえて下を向いている。 「あ! ごめん、衛! 痛かった?」 「いや……、大丈夫だ……」  ちょっとしたハプニングはあったが、玄関に入ると鼻をくすぐる新しい家の香りに、陽はすっかり舞い上がってしまった。

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