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第三章・6

「布団も……?」  ああ、と事もなげに衛は返事をよこす。 「羽根布団だ。軽くて温かい。たぶん、高価なものだろうな。ありがたいことだ」  むうぅううう~ッ! と、陽の頭に血が昇って行った。 「この家、イヤだッ! 引っ越そう、衛!」 「何ィッ!?」  二人押したり引いたりしながら話してみると、陽の言い分はこうだった。 「知らないヒトがエッチした布団で寝るなんて、絶対ヤだ! なンか、気持ち悪い!」 「贅沢言うな。掘り出し物の物件だったんだぞ」 「でも、嫌だ!」  最終的に、布団だけは買い替える、という結果に落ち着いて、衛は汗を拭いていた。

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