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第三章・7

 まさか、こんな事を言い出すとは。  今後も、何かと覚悟しておいた方がいいな。  しかし、それらを上回って余りある喜びがもたらされる予感も、しっかり受けていた。 「陽」 「ん?」 「キスしていいか」 「……いいよ」  二人、唇を合わせた。  窓から差し込む、少しずつ強くなりはじめている春の日差しを感じながら、長い長い口づけを交わした。

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