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第四章・3
これはもう、すっかり俺は下痢でもしていると思われたに違いない!
しかし、スマホのバイブはさっきから鳴りやまない。
トイレに行く、という話はあながち嘘ではなかった。
衛は言葉通り、トイレに駆け込んだ。
むろん、用を足すわけではなく、電話に出るためだった。
送信は、やはり陽だった。
衛はトイレの個室に籠り、慌てて電話を取った。
「もしもし!? 俺だ。何かあったのか!?」
『衛~~~ (´;ω;`)』
半泣きの、陽の声。
いよいよ何かあったのか。
落ち着け、まずは落ち着いて話せ、と全く落ち着かない自分を棚に上げて、衛は早口にそう言った。
『バスの中で寝過ごしちゃって……それで、知らないとこまで来ちゃって……ここどこ? 衛~ 。・゚・(ノД `)・゚・。』
「な……ッ!?」
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