90 / 152

第四章・22

「悦い声だ」 「ぃやぁッ。衛……ッ!」  衛の馬鹿、とは声にならなかった。  何度も何度も抉り込まれる衛の腰に、陽はすっかり狂わされていた。 「あッ、あッ、あぁ、んッ。んぁ、あぁあ!」 「啼け。もっと、悦がれ」 「あ、はぁ、あぁ。はッ、はッ、んあぁ、あッ、あぁぁあッ……」  びくん、と引き攣ると同時に、ひときわ高い声が上がった。  反らした背が、仰け反った首が、身悶える。  先にイッたか、と呟く衛の声に、陽は恥じ入った。  もう、衛。  意地悪な衛。  ばかばか。  あぁ、でもダメだ。また、また波が来る。

ともだちにシェアしよう!