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第四章・23

「あッ、いやッ! あっ、あっ、ぃやぁあ!」  陽が果てても、衛は構わず穿ってくる。  汗と、ローションと、体液とですっかりいやらしく濡れてしまった二人の身体の交わる部分が、さらに熱く火照っていく。 「もう……、もうダメぇッ。衛、衛お願い。もう、許してぇ……ッ!」  後の記憶は、ヒトのそれではなかったような気がする。  激しさを増した衛の動きに、我を忘れて喘ぎ、声を漏らし、歓喜に震えた。  そして突然放たれた彼の精を、体の深いところで受け取った。  内壁は自我を持ったかのようにうねり、腰は勝手に波打った。  一滴たりともこぼさぬ勢いで、陽の身体は衛を呑み込み吸いこんだ。  あ、気が遠くなりそう……。  絶頂の余韻に震えていると、衛が体をゆったり包むように抱きしめてくれた。 「んぁ、あぁ……。あ……、衛ぅ……」  荒い息の合間に、愛しいその名を呟いた。  僕の体も心も、すっかり蕩かしまるごと食べてしまう、そんな人。  そんな、衛。 「かなわないな、お前には」  いいように苛められ、翻弄されて疲れ果てた陽が最後に聞いた衛の言葉は、こうだったような……、気がする。

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