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第五章・3

「まずは、飯だ!」  そう独り言を放つと、衛は2階の寝室へ登っていった。  寝室のドアはしっかりと閉じられており、陽が起き出してくる気配もない。  ただ妙なことに、ノブに手をかけたところで何やら悩ましい声が聞こえる。  衛はドアを細く開け耳をそばだてた。 「あぁ。好き好き、大好き。衛なんかより、ずっとずっと愛してる。離れたくない。こうやって、いつまでも一緒に居たい……」  何ィ!?  寝言で俺以外の誰かの事を、口走っているのか!?  気色ばんで、寝室へ飛び込んだ衛が見たものは!  目を覚ましていながら布団に丸まって、ごろんごろんしている陽の姿だった。  まるで、喉を鳴らしている猫そのものだ。 「好き好き、オフトゥン~」 「起きているなら、早く支度をしろ!」

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