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第五章・5

 昨夜は飲み過ぎたようだったからな、と衛は次々に消化のよい小鉢を出してくる。  卵味噌に、鶏砂肝と生姜の和えもの。  胡麻だれで食べる白和え。  衛の馬鹿、と膨れてはいるものの食欲には勝てない。  二日酔いの胃にも優しい食事を、もくもくと食べた。  彼の優しい心遣いを、ありがたく噛みしめた。 「朝はしっかり食う。そうでないと、いい仕事はできないぞ」  衛の声音は穏やかだったが、その言葉に陽は突然ぷちんとキレた。 「そうやって、いつもいっつも年上ぶって! 朝からお説教なんか、聞きたくない!」  今までおとなしく食事をしていた猫が突然爪を立てるものだから、この生物教師は驚いた。 「いや、別に説教のつもりじゃ」 「うるさい!」

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