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第五章・15

 衛のガードを察知したのか、若者は自分から口を開いてきた。 「ヒナちゃん、この人? 衛さん、って」 (ヒナちゃん、だと!?) 「そう。結構……」  結構イケてるだろ、と衛を紹介しようと考えていた陽だったが、思わず口をつぐんだ。 (衛ったら、馬鹿バカ! 何て格好してンのさ!?)  なぜか衛は今夜に限って、ダサいねずみ色のスウェットを着ているのだ。  しかも前が微妙に勃ち上がり、テントを張っている。  僕がいない間ひとりで、いったい何を考えていたのやら!?

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