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第五章・23

 独り語ちながら、そうやってわざと声に出しながら、陽はベッドに潜りこんだ。  あったかくて大きな衛の体が、そこにはあった。  広い背中に掌を当て、すぅと息を吸った。  衛の匂いがする。  それだけで、安心できた。  衛がここにいる。  それだけで、陽は安らかな眠りに落ちて行った。  やけに長い、一日だった。

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