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第六章・7

「2年3組の生徒がまだ帰宅しないと、保護者から連絡がありました」  あっという間に職員室は情報の前線基地となり、教師たちは手分けして生徒の捜索にあたった。  行方不明になっている少年のクラスメートや同じクラブ活動の部員、その他にも仲の良い友人や中学校時代の担任にまで、何か手掛かりはないかと連絡した。  もちろん即座に警察や校区内の民生委員にも協力を要請し、血眼になって生徒を探しながら無事を祈った。  衛もまた繁華街の盛り場を見て回り、ついでに夜遅くまで遊び歩いている少年たちを補導しながら走りに走った。

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