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第六章・8

「遅いな、衛」  キッチンのテーブルに頬を付き、陽は帰ってこない衛を待っていた。  食卓には、自分が準備した夕食が置いてある。  陽は初めて衛のために食事の用意をして、彼の帰宅を待っていた。  今日は会議で、遅くなるということは解かっている。  普段なら、21時にもなると必ず帰るはず。  しかし今夜は、22時を過ぎても衛は戻らない。  電話もなければ、メールもLINEもない。

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