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第七章・5

 あぁ。  俺は何をしていたんだろう。  陽の事をいつも身勝手と思っていたが、この俺はその上をゆく身勝手極まりない男だった。  独りで、くよくよ考えて。  ちょっと他の男と一緒にいただけで、もう心離れしたんだと思い込んで。  挙句の果てに、出て行ってもいい、なんて宣言するとは俺様気取りもはなはだしい。

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