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第七章・12

「あッ、うぅ! んッ、あ、あ。ヤぁあ!」 「何度でもイかせてやる」  ぱしゃん、ばしゃん、ばしゃッ、ばしゃッと、湯がリズミカルに波打ちだす。 「も、ィヤぁ! 衛の、バ、カぁあ!」  ああ、ダメだ。  どんなに頑張っても、衛には敵わない。  もう、大人になったはずなのに。  一人前になったはずなのに。 「陽。無理はしなくて、いい」  彼の言葉に、ぽろりと涙がこぼれた。  でも、これはきっと嬉し涙。  衛のそばで、衛と一緒に、僕はもっともっと大人になるんだ。  それが、陽が流した今日最後の涙だった。 「あぁッ、んぁ! あッ、はぁッ。もッ……と。もっと……ッ!」 「よし、立て」  陽が立とうとする前に、体は衛に軽々と抱えあげられた。  バスタブの中に立ちあがった衛は、向かい合わせの陽を抱えたまま、構わず腰を穿ち続ける。

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