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第七章・17
陽は眼を覚ました。が、すぐに瞼は開かなかった。
カーテンの隙間から、光が差し込んでいる。
眼を閉じていても、気配で解かる。
そして隣に衛の姿はもうないのだ、ということも気配で解かる。
滅多に取れない、連休。
せっかくなので、月初めにはいろいろと計画を考えてはいた。
だが、やっぱりごろごろして過ごすことになりそうだ。
陽は、一応眼を開いた。
「あ~あ、だるい」
情け容赦ないんだから、あのオジサンは。
昨夜のバスルームでの情事を、思い出していた。
自分でも恥ずかしくなるほどに乱れて、求めたんだっけ。
そして衛は、それに十二分に応えてくれたのだ。
ころん、と寝返りを打ってみた。
そこにまだ、彼のぬくもりが残ってやしないかと考えて。
だがその場所は、何か大きなもので塞がれていた。
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