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第14話 Love is over

「・・どこから・・聞いてたの」 「えっと・・・お前が、俺に触るやつ殺しちゃうかも・・・のあたり?」 「ぜ・・全部じゃん!」 史は顔を真っ赤して、店のソファに会わせたクッションをいくつも弘海の顔に向かって投げつけた。 「仕方ねーだろ、聞こえちまったもんは!痛いって!」 次々飛んでくるクッションを受け止めて、史の顔を見た瞬間、弘海は息を吸い込んで固まった。 史は、泣いていた。 「おい・・・そんな泣かなくても・・・」 「・・・くるし・・・」 「史?」 「苦しすぎて・・死にそう・・・」 「・・・・・」 「俺が・・・居なくなってもいいのっ・・」 「・・・いいわけないだろ」 「言ってよ!ちゃんと・・・弘海の口から・・・」 「何で・・・言わなきゃわかんないんだよ・・・」 「行くなって・・・言ってよ・・・ちゃんと、好きだって言ってよ!」 「好きとか・・・そんな言葉じゃ足りねーんだよ!」 弘海は史を抱き寄せた。史は弘海のTシャツを掴んで、声を殺して泣き続けた。 涙を拭おうと頬に触れた弘海の指を、史が掴んだ。そしてその指に、唇を付けた。指先を口に含み、史は潤んだ瞳で弘海を見た。 弘海は史の身体を、開店前のLickのソファに横たえた。 顔を髪を優しく撫でながら、弘海は史に口づけた。史はまだ泣きやまず、弘海の身体に両腕を巻き付けた。 弘海の手が、史のTシャツをたくし上げた。直接肌に触れると、史が弘海にしがみつく。少女のような史の様子に、弘海は心臓が締め付けられた。 何かに追われるように、二人は互いの服を脱がせ、その体温を確かめ合った。史の身体から香る甘い媚薬が、弘海をさらに急かした。 弘海の舌が、史の舌に重なって、動くたび淫靡な音を立てた。 唇が離れると、史がソファに腰をかけた弘海の足下にしゃがみ込んだ。 弘海のデニムのファスナーを、口でそろそろと下ろしていく。 「おい、史・・・」 「弘海が、イくところ見せて」 「それは・・・いいから・・」 「俺の・・・口で・・・」 史は弘海が答える前に、それをそっと咥えこんだ。ぞくりと背中が泡立って、弘海は低い声でうめいた。 史の舌の感触と、薄赤い唇から出入りする自分自身を見下ろし、弘海は止められない波に飲まれそうになった。史の甘い香りが、自分の汗と混じり合って立ちのぼり、さらにめまいがした。 「・・・史・・っ・・あっ・・・う・・」 史は長い睫を伏せて、うっとりと弘海の中心を愛撫した。 弘海の身体は次第に自制が効かなくなり、がくがくと震えだした。史の頭に添えていた手に、思わず力が入った。応えるように、史はさらに深く、口に含んだ。 「もう・・・離せ・・・イく・・っ・・」 全身を震わせ、唇を噛みしめて、弘海が放った愛液を、史は目を閉じたままごくりと飲み込んだ。呼吸も整わないまま、弘海は放心状態で史を見た。 「史・・・」 口のまわりを親指で拭い、その指先を赤い舌で舐めとって、史は弘海を見上げた。瞳はなまめかしく潤んで、弘海の全てを欲していた。弘海はその視線に全身の毛穴が総毛立つのを感じた。 初めて肌を合わせるわけではないのに。 確実に、抱かれるたびに色気が増していく、史。 夜にだけ香る花。 腹立たしいが、伊坂が送った花は史そのものと言えた。 弘海はひざまづいていた史を抱き上げ、もう一度口づけた。唇の隙間から、とろりと熱い液体が流れた。 乱暴に押し倒し、火照った胸に触れると、弘海の指を溶かしてしまいそうに熱い。堅くなった乳首を爪で弄ぶと、史は切なく息を漏らす。 仰向けに横たわった史は、薄く瞼を開けて弘海を見ている。無自覚に、相手を狂わせる媚薬が史の全身から滲み出ていた。 両足の間で脈打ちながら弘海を待ち望んでいる史の中心に、弘海は触れた。 史の唇がわずかに開いて、はあ、と甘い吐息が漏れた。 「ん・・・ああっ・・」 弘海の長い指が、史の中心を擦り上げる。愛液がねっとりと絡みついて、史の腰が浮き上がる。乳首を甘噛みして、弘海は史の名前を呼んだ。 涙混じりの声で史は絶えず喘ぎ、弘海の背中に爪を立てた。 脚のつま先をぴんと緊張させ、まもなくやって来る波に必死に堪えようとしている史の中心から、弘海はふと手を離した。史の身体を反転させる。 そして、弘海は四つん這いにさせた史の後孔に舌を這わせた。 びくんと腰が戦慄いて、史が鳴く。 「あ・・・・嫌っ・・・・」 顔を背けて堪える史が、弘海の視界でゆらりとかすむ。このまま何もかも捨てて、二人だけで生きていけたらいいのにと、弘海は思った。 さっき達したばかりの弘海の中心は、もう熱くなり始めていた。 「弘・・海っ・・はぁっ・・・んん・・」 ひとしきり舌で解したあと、弘海は指を滑り込ませた。 弘海の指先が、史の中の一番敏感なところを見つけだし、焦らしながら刺激する。言葉にならない声を上げて、史が身をよじる。弘海の指を史の中が捕らえて離そうとしない。痙攣を繰り返し、史は半開きの唇から必死に酸素を取り込もうとした。 「も・・・無理・・っ・・んっ・・あ・・」 「このまま・・・イッていいぞ・・・」 「やっ・・・弘海の・・っ・挿れ・・て・・」 史は顔だけ振り向き、哀願した。 また、弘海の背中にぞくぞくとした感覚が蘇る。 弘海は史の身体を抱き上げ、後ろから抱え込んだ。史は腕を伸ばし、後から抱きしめる弘海の首に腕を回した。ゆっくりと、史の身体が弘海のものを飲み込みながら沈んでいく。弘海は、その感触に、知らず声を上げていた。 その身体に消えない印を残すかのように、弘海は何度も史を突き上げた。 「ひろ・・みっ・・・あっ・・・」 「・・ちかしっ・・んっ・・」 「ひろみ・・・っ・・」 突き上げながら、弘海は限界まで昴ぶった史自身を、指輪をはめた左手で包み込んだ。ぎゅっと力を込めると、史が高い声を出した。 「前・・・っ・・・だめっ・・・あっ・・・」 「・・・ちかしっ・・」 「やあっ・・・んっ・・・ひぁっ・・」 淫らな音を響かせて、弘海の左手は史を限界まで導いた。ソファが、史が突き上げられる度に、苦しそうに鳴いた。 そうして、何度も突き上げられる快感に、史は我を失ったように叫んだ。 「一緒に・・きたい・・弘海・・・っ・・」 「う・・・っ・・・」 言葉に応える代わりに、弘海は深く穿ち、史は悲鳴に近い声を上げて、放った。 その後も弘海と史は、呼吸を忘れてしまったかのように、身体を重ねた。 互いの肌が少しも離れないように、腕を、脚を絡めた。 弘海の舌や指が史の身体をなぞるたび、史は名前を呼んだ。 弘海は、最後まで、「行くな」とは言えなかった。

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