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屋上にて─2─

 廊下を進みある場所へ向かって階段を上る。  僕だって、友人と休み時間はくだらない話で笑ったり、放課後はファストフード店に寄ったり、そんな高校生活を夢見たことはある。  だけどそれはあくまでも夢であって、叶えることは許されないのだ。  第一志望の高校に落ちた日から、僕に希望は無くなった。  僕の人生は『あの人』のものになった。  そこで、僕はまだ連絡を入れていないことに気付く。授業中以外は誰もが平然とスマホをいじっているが、僕みたいな真面目のレッテルが貼られた人間が人目のつく場所でいじるのはなんだか気が引ける。それに先生に見つかったらイメージダウンに繋がりかねない。  階段を駆け上がり重い扉に手を伸ばす。錆び付いた扉がキイ、と鳴り、青い空が飛び込んでくる。  思わず肺いっぱいに空気を吸い込む。僕にとって唯一の、心から安心できる場所だ。

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