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屋上にて─4─

 顔を上げる。太陽と燃えるような赤い髪に目を細めた。あまりの眩しさに眩暈を起こしそうだった。 「B組の黒澤くんだよね、今回の試験も成績一位だったひと」  僕の顔を覗き込んでいた人物がそう言って隣にしゃがみこむ。僕は目を擦り、瞬きを数回繰り返してからその男の方を向いた。  染めていない真っ黒な自分の髪とは対照的な、明るい茶色の髪が風に揺れている。くせ毛なのか、毛先があちこちに向かって跳ねている。僕を見つめたままにこにこと笑顔を浮かべる男。いつの間に隣に来ていたのだろうか。 「さっきからいたよ。俺が屋上に入って来ても黒澤くん険しい顔して全然こっちに気付かないんだもん」  一瞬、心の声を読まれたのかと思ってぎょっとした。  男は思い切り眉間に皺を寄せ「こんな顔してたよ」と僕の真似をして見せた。 「そんな顔、してない」

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