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屋上にて─5─
僕は彼から視線を逸らす。ずっと見ていたら網膜が焼かれてしまいそうだった。それほど、彼が眩しく瞳に映った。
「え、してたって。ほらほら、こんな顔」
彼がしつこく顔を覗き込んでくる。眩しさから逃れるように抱え込んだ膝に顔を埋めた。
「してないって言ってるだろ」
無意識に語尾が強くなる。しまった、と思って顔を上げたが彼はきょとんとした表情を浮かべていた。
「怒らせちゃった?ごめんね。何だか、苦しんでいるようにも見えたからさ。笑って欲しくて」
苦しんでいる。
その言葉が僕の心臓をえぐった。
初対面の人間に見抜かれてしまうなんて。もっと上手に、自分の感情を殺さないと。
「ねえねえ、さっきスマホいじってたよね」
彼が突然向きを変え、横に並んで座った。ブレザーの肩と肩がぶつかり合う。
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