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屋上にて─6─
「もしかして、彼女?」
「はあ?」
予想もしていなかった言葉に少しだけ頬が熱くなる。彼女なんて言葉は僕にとって無縁そのものだからだ。
「黒澤くん頭良いし、顔もまあまあイケてるし、モテるんじゃないの?」
「まあまあってなんだよ。モテるわけないだろう。地味で勉強ばかりしていて友達だっていないのに…」
ぶはっと彼が吹き出す。それから声を上げて笑った。
「何がそんなに面白いんだよ」
「いや、だって、普通、自分で友達いないって言わないでしょ」
そう言われて先程よりも顔が熱くなる。別にいいだろ、と言ってそっぽを向いた。
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