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屋上にて─7─

「俺の名前、知ってる?」  彼は目尻に溜まった涙を拭いながら、唐突にそう訊いてきた。 「…知らない」 「俺は、2年E組の真嶋葵。まじま、じゃなくて、ましま、ね」  彼──真嶋は、地面に指で『ましま』と書く。それから「上から読んでも下から読んでもましま」と笑って見せた。 「単語帳の一ページに俺の名前書いておいてね」 「なんでだよ。だいたい、僕とお前はもう関係ないだろう」 「関係あるよ。今日から俺と黒澤くんは友達。俺は黒澤くんの友達第一号!」

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