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始まりの予感─2─
僕は真嶋の顔を見た。明るく染まった髪が窓から入って来る風に揺れている。
「僕、使い方がわからないんだ。その、アプリとかやったことなくて」
「えっ!」
真嶋の声に廊下中の視線がこちらに向く。
「静かにしろよ」
「いや、だって、高校生ならだれでもやってるぞ。っていうか、この間屋上で誰かに連絡とってたんじゃないの?」
「とってたよ、メールで。相手もそういうのに疎いから」
いかに自分が世間の高校生から取り残されているか実感する。惨めな気持ちが足元から這い上がって来る。
「そっか。でも、まあ、無視されてたんじゃないならいいや。ところで、これからどこか行くの?」
「え、ああ、図書室に本を返却しに行くんだ」
「わかった。俺も一緒に行く」
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