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Ⅰ 初恋のつづき④
「結婚しましょう。尋斗さん」
いま、なんて……
「来年、俺が誕生日を迎えたら籍を入れましょう」
「それって……どういう」
「18になったら結婚できます。成人ですから」
晴君との約束って……
俺はきっと「うん」と言ってしまったんだ。小さな子をあやすために。
ちっちゃな嘘の約束をした。
でも。
晴君だって高校生だ。
ちゃんと話せば分かってくれる。
本気で俺と結婚だなんて……
「あっ……」
暖かだった腕が熱い。
「逃げないで」
心臓が火を噴きそうだ。
(熱で)
体温を犯す。もっと熱く、強い熱が俺を離さない。
「俺、本気ですから」
ぎゅっと、ぎゅうっと、抱きしめる。
「俺の事、本気になれないなら。本気にさせてあげる」
最後に見たのは琥珀を宿した……月光色の双瞳。
声は吸い込まれた。
呼吸ごと。
待って、晴く……
声は重ならない。
うるさい鼓動を押し潰して、熱い吐息ごと覆い被さり、吸い尽くしてしまったのは彼の……
晴君の唇!!
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