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優先順位
「ナオちゃんは俺より料理の方が大事なの?」
左腕にジャケットを掛け、ネクタイを外しにかかるナオちゃんを見て俺に顎を上げながら淋しそうに言う。
ナオちゃんは慣れた手つきでシュルリと首から取り、ジャケットの上に重ねてから俺を見た。
「ユタカの方が大事やけど、美味しいもの食べさせたいんやもん」
はよ着替えてきてやと冷たく言ってナオちゃんはまたキッチンへ立つ。
でも、俺はニヤリと笑い、ジャケットとネクタイを椅子にかけ、後ろからナオちゃんに抱きついて右耳を舐め始めた。
「アッ、やぁ……から、あげぇ……して、りゅッ」
ビクビクと身体を揺らすナオちゃんを無視してペチャペチャと立つ音はパチパチと跳ねる油の音に負けないくらい部屋に響く。
「こんなんで反応するなんて……我慢してたんだね」
低くて甘い声で囁きながら右手を身体と布の間から忍び込ませる。
「ここ、パンパンじゃん……破裂しそう」
男にしか付いていないアレに俺がやわやわと触れるだけで、ナオちゃんの目がたぶん虚ろになっていく。
「アッ、あか……アッ、アッ」
「何がアカンの? こんなにトロトロさせて」
先走りを亀頭に塗りつけると、ゆらゆらと腰が揺れる。
熱い息も恥ずかしげもなく漏らすナオちゃんに愛おしさが増す。
「息も液も漏らして……愛、溢れすぎじゃないの?」
カラカラにならないうちに補充しなきゃねと耳元で囁くと、ビクンと大きく身体が跳ねたんだ。
揚がる音が変わったのがわかった俺はナオちゃんの頭に顎を乗せ、鍋で揚げられている唐揚げの様子を見る。
「ちゃんと見てないと唐揚げ焦げるよ」
あかん子やねぇと柔らかい関西弁で言うと、ナオちゃんははいと素直に言い、菜箸で唐揚げを揚げ物バットへと持っていった。
身長が168cmのナオちゃんと183cmの俺、身長差は15cmあるんだ。
だから、竹富課長の時は何があっても俺を自分の前では立たせないようにしている。
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