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甘い朝

朝、飛び起きて隣を見る。 大丈夫、ちゃんとナオちゃんがいた。 鼻が詰まっているのか、ぴーと鳴らしながら軽く微笑んで寝ていた。 「おはよう、ナオちゃん」 俺は口角を上げて額の髪を左手で上に寄せ、キスを落とす。 「んぁ……んっ」 眉間に皺を寄せ、身体をもぞもぞ動かすけど、起きる気配はない。 俺はあまりのかわいさに、んふふと笑みが溢れる。 今度は鼻を摘まむ。 苦しそうにするから離すと、ぷふぅと息を吹き返すだけ。 もう実力行使だと思って唇が閉まる前に奪うことにした。  クチュクチュ 朝には似つかわしくない音が立つ。 「んっ、あ! アんっン……」 無事にナオちゃんは起きたけど、そんなことはもうどうでもいい。 人より長いらしい舌でナオちゃんの歯も舌も全部……咥内ごと愛するのに夢中になる俺。 息が続かなくて苦しいくせに身体をくねらせるナオちゃんがたまらないんだ。 トロリと俺の唾液をたっぷりと流し、上唇に軽くキスをする。 瞳は潤み、息が荒いナオちゃんを落ち着かせるために、黒髪をさらさらと撫でていく。 「寝込みを襲うのはアカンやろ……わかるやんか」 「身体は喜んでたけど?」 悪い顔をすると、顔を真っ赤にするナオちゃん。 「昨日出したやつそのままだったから、起こしたんやで?」 はやく起きてとお腹を撫でると、ナオちゃんは撫でている手を掴む。 「このままでええねん」 ナオちゃんは手を広げた後に重ね、目を閉じる。 「おれ、ユタカの子供産むから」 なに、めっちゃかわいいこと言ってるよ。 「男の子? 女の子?」 「女の子。ユタカ似の」 「えーナオちゃん似がいいなぁ。めっちゃ可愛がるし、過保護にすると思う……結婚なんて全然認めないし」 無理だとわかっていても、楽しい話を俺はする。 でも、ナオちゃんは拗ねた顔をし始めた。 「やっぱイヤや」 ナオちゃんは楽しくなかったみたい。

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