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第一章・3

 学校から帰るなり部屋に籠ってわんわん泣いている弟・准を、兄の梅宮 丞(うめみや じょう)は心配した。 「おい、准。兄さんだ、入るぞ」  返事はなく、ただ泣き声が聞こえるのみ。  丞は、准の部屋へ入った。  ベッドに丸くなり、枕を抱いて泣いている准。  丞は、可哀想な弟の髪を撫でた。 「泣いてちゃ、解らない。どうしたんだ?」  しばらくぐすぐすと泣いていたが、やがて准は兄に顔を向けた。 「秀斗が、しばらく会わない、って」 「まだあんな奴と付き合ってたのか」  Ωである弟をかどわかす男は、αの丞にとっては悩みの種だ。  ろくでもない奴では、このように准が泣くことになる。

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