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第一章・4
「兄さん、どうしよう。僕、どうしたらいいと思う?」
「そんな男、こっちから振ってやれ」
やだやだ、と准は枕を抱えた。
「秀斗と別れたくない!」
じゃあ、解るように兄さんに話してみろ、と丞は優しく准に問いかけた。
「なぜ(クソ)秀斗は、(可愛い)お前としばらく会わないんだ?」
そこで准は、くだんの写真を丞に渡した。
「これ。この写真。そしたらね、秀斗が……」
『その写真、もう一度ちゃんと見てくれないか。いや、今まで撮った写真、全部見返して欲しい』
『……答えは、写真を見て自分で導いてくれ。それまで、会わずにいよう』
こんなことを言った、と准はまた泣く。
丞は写真を手に、しょっぱい顔をした。
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