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第一章・6
「これだけじゃ、解らないな」
丞は、秀斗の言ったように、これまでの写真を全部見せるように、准に言った。
「これは~、遊園地の写真。良く晴れて、楽しかったよ! これは、カフェでの写真。キャラメル・マキアートが美味しくってね! それから……」
一枚一枚を、実に楽しそうに語って聞かせる准の笑顔。
この笑顔を曇らせたくない。
お前には、いつでも笑っていて欲しい。
そんな思いを胸に、丞は数々の思い出を真剣に眺めていた。
しかし……。
(秀斗の奴、いちいちキメッキメにキメてきやがって!)
准の恋人のファッション。
流行のキャップを被ってみたり、有名ブランドのTシャツを着てみたり。
話題のヘアスタイルを試してみたり、顔映りのいい色のシャツを身につけたり。
思いきり、デートです! と主張することこの上ない。
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