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第一章・7
かたや、准は。
普段着に見える白のパーカー、時々寝ぐせのある髪形。
無地のTシャツに、よれたジーンズ。
時には同じ格好で、別の写真に写っていることもあった。
秀斗がキメまくっている分、隣の准が浮いて見える。
丞には、何となく秀斗の言いたいことが解って来た。
「准、明日兄さんと一緒にショッピングに行こう。服、買ってやるから」
「え? いいの!?」
嬉しいな、兄さんとデート。嬉しいな。
そんな風に、素直に喜ぶ准が、可愛い。
「でも、どうして? 写真の謎は解けたの?」
「ああ、大体解った」
さすが兄さん、と擦り寄ってくる准が、本当に可愛い。
(見てろよ、秀斗)
丞は、写真の中で笑う秀斗に、睨んで見せた。
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