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第一章・12
「うん、やっぱり似合う!」
顔映りがいい、明るく見える、スタイルが際立つ、などなど。
試着室を出た准を、丞は褒めちぎった。
その言葉の数々にやる気が出て来たのか、准は進んで気になる服を手に取るようになってきた。
インナーはもちろん、アウターにボトム、シューズにストールなどの小物も揃えた。
下着だけは、買わなかったが。
秀斗の前で下着姿になる准など、想像もしたくない。
他の男のために嬉々として装う弟を、丞は複雑な思いで見つめていた。
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