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第一章・14

 秀斗からデートをOKしてもらい、准と丞は帰宅した。  部屋で買ってもらったばかりの服を大切にクローゼットに収め、准はホッとした顔つきだ。 「あ~、やっぱりこっちの方が楽~」  准はすでに、部屋着のトレーナーとスウェットに着替えていた。  その緩んだ表情に、丞は思わず笑っていた。  兄の笑いに、准は髪の少なくなった頭をかいた。 「やっぱり僕、ちょっとだらしないよね」 「そんなことない。今のくつろいだ顔の准も、可愛いよ」  兄さん、やっぱり優しいな。  秀斗は、そんなこと言ってくれない。  同じαなのに違うのは、年齢のせいなのかな。

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