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第一章・20

 准の懇願に、丞は激しく腰を使い始めた。  弟の内は、ねっとりと絡みつき、締め上げて来る。  あまりに心地よいその感覚に、丞もまた狂わされていた。 「准、欲しいんだな。奥に。一番奥に!」 「お願い、来てぇえ……ッ!」  丞の目の前には、はしたなく悦がり悶える准の姿がある。  想い焦がれた、そして初めて見る弟の痴態に、丞は震えた。 「あぁ! 兄さんん、んあぁああ!」  たっぷりの精が、准の体内にもたらされた。  あぁ、熱い。  兄さんの種が、こんなにたくさん。  僕のお腹が震えるくらい、勢いよく注ぎ込まれてる!  丞が果てた後も、准は余韻に浸っていた。  体の痙攣はいつまでも続き、荒い呼吸はなかなか治まらない。  そんな時、丞が優しく抱いてくれた。  髪を、静かに撫でてくれた。 「兄さん……」  ようやく准は、安らぎに身を浸していった。

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