25 / 172

第一章・25

 物足りなかった、と准は言う。 「昨日、兄さんに抱かれたから。どうしても、比べちゃって……」  秀斗は、あんなに胸に触れてはくれなかった。  秀斗は、あんなに奥まで突いてくれなかった。  そして何より……。 「秀斗に抱かれても、僕、濡れなかったんだ。兄さんが初めて。あんなに濡れたの」 「准……」  解った、と丞は握られた弟の手に指を絡めた。 「お前に、本物のセックスを教えてやるよ」 「兄さん」  二人で、もう一度熱いキスを交わした。  離れられない。  離したくない。  兄弟の愛は、加速してゆく。  唇を離し、准はにっこり笑った。 「ね、兄さん。写真撮ろう」 「部屋でか?」 「部屋デートの写真♡」  寄り添う二人が、一枚の写真になる。  そしてそれは、今後どんどん増えてゆくだろう。  春風の心地よい、晴れた日の出来事だった。

ともだちにシェアしよう!