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第二章・5
ショッピングモールの中に、新しく建ったビル。
そのプラネタリウム階に、秀斗は准を誘っていた。
二人で仲良く椅子に掛け、悠久の宇宙へ思いをはせる。
星座の解説など端から聞く気のなかった秀斗は、そっと准の手を握った。
それを待っていたかのように、ことんと秀斗の肩に頭をもたれる准。
秀斗は、そんな仕草に我慢できなくなってしまった。
「准……」
そっと、顔を寄せる。
口づけしようと、唇を近づけた。
「准?」
すうすうと、規則正しい静かな呼吸。
「……寝ちゃってたのか」
ちょっと残念だったが、それはそれで可愛い准だ。
そのまま肩を貸し、秀斗は天井のスクリーンいっぱいに流れた星の映像に願いをかけた。
(どうか、准とこのままずっとラブラブでいられますように……)
やがて壮大なシンフォニーが響き、天体ショーは終了した。
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