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第二章・6

「確か准は、プラネタリウムに行く、と言っていたよな」  出口付近で、丞は密かに二人を待ち伏せしていた。  来た。  相変わらずキメッキメにキメた、秀斗……と、手を繋いで笑う、准。 (准! 手なんか繋いで!)  その場に飛び出し、秀斗の手を払いのけたい衝動にかられたが、そこは我慢した。  さすがに、大人げない。 「准、何かたべたいものある?」  秀斗の問いに、准は考え無しにフレンチのコースが食べたい、と言った。 「ここ! この店に、こないだ兄さんと一緒に入ったんだ」 「これは……」  最近インスタでも評判の、レストランだ。 「ここでね、ハトの肉使ったお料理、食べたんだ。ハトって、あれかなぁ。公園で捕まえてくるのかなぁ」 「いや、そうじゃないけど……」

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