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第二章・13

 俺は嫉妬なんかしないよ、准。  今度兄さんが、プラチナの指輪を買ってやるからな!  ……いや、待てよ。 「准、その指輪は中指につけなさい」 「でも秀斗が、薬指にはめてくれたから」 「指輪は不用意に薬指につけるもんじゃない!」 「ヤだ!」  途端に、准は部屋から逃げてしまった。 「あぁ……」  一度は身も心も結ばれたはずなのに。  恋とは、こんなにも難しいものだったか?  丞は再びベランダへ出て、煙草に火をつけた。  少し冷たい、夕方の春風だった。

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