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第三章・7
シャワーは、個室になっている。
そこに、丞と准は二人で入っていた。
「ここを押すと、お湯が出る。温度調節は、このダイヤルで」
「めんどくさいな。兄さん、一緒にシャワー浴びよう」
「仕方のない奴だな」
笑いながら、二人で体の流し合いをした。
頭からシャワーで湯を浴び、准の唇はようやく元の赤味を取り戻した。
その准が、しきりに丞に肌を擦り付けて来る。
「ね、兄さん……」
「ど、どうした?」
「キス、したい」
これは一体!?
先だって一度肌を合わせてからこっち、まるっきりそんな素振りはなかったのに!
丞は、そろりと准の唇に顔を寄せた。
甘い吐息の中に、心を乱すフェロモンの気配を感じた。
「准、お薬飲んだか?」
「飲んだよ。でも、何だか身体が火照ってしかたがないんだ……」
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