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第四章・4

 准のお兄さんが、お見合いをする。 (これのどこが、悩みの種になるんだ?)  一瞬悩んだ秀斗だが、最も一般的な返事を選んだ。 「えっと。それって、おめでたいことなんじゃないのかな」 「おめでたいこと?」  そうだよ、と秀斗は続けた。 「うまくいけば、結婚できるんだし。おめでたいよ」 「どこがおめでたいんだよ! 秀斗のバカ!」  電車のドアが開き、人波を押し分けて准は降りてしまった。 「ちょ、待って! まだ降りる駅じゃないだろ!」  准の後を追い、その腕を掴んだところで電車は発車してしまった。 「あ~あ」  これでは、遅刻ギリギリだ。  しかし准は、見知らぬ駅の構内をどんどん歩いていく。 「待って。准、待ってよ!」  放っておくわけにもいかず、秀斗は准と並んで歩き始めた。

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