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第四章・11
茜は、素敵な男性だった。
秀麗な容姿、清潔感のある身なり、品のある物腰、知的な会話。
(100点満点じゃないか)
丞は、返って不思議になって来た。
こんな非の打ちどころのない男が、どうして取引先を頼ってお見合いなんか。
ちょっとその気になれば、すぐに恋人はできるだろうに。
ちょっとその気になれば、お見合い相手なんて引く手あまただろうに。
そんな茜が食後のコーヒーを飲みながら、ぽつりと言った。
「僕、このお見合いを、ぜひ成功させたいと思ってます。梅宮さんと、お付き合いできれば、と思っています」
「早急ですね。俺は欠点だらけのつまらない男ですよ」
「早く結婚しなければならない、わけがあります」
「理由が?」
ここから語られる茜の告白に、丞の心も乱れてゆくことになった。
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