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第六章・2

「ん、ぅん。兄さん、……兄さんっ」  必死の愛撫に、切ない声に、丞のペニスはどんどん硬くなってゆく。 (このままでは、ダメだ)  丞は、半身を起こした。  准を、やめさせるつもりだったのだ。  しかし、その途端に眩暈がした。  濃厚な、甘い香り。  脳をかき乱す、淫靡な物質。 「准、発情してるのか!?」  そう言えば、准は夕食を摂っていない。  食後の発情抑制剤を、飲んでいないのだ。 「欲しいんだ、僕。兄さんが、たまらなく欲しい」  何だかおかしい、とも言った。 「身体が火照って、しかたがないんだ。頭ん中も、ぐちゃぐちゃで……、苦しい」  苦しいよ、兄さん。  そう言いながらも、丞への施しはやめない准だ。

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