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第六章・8
朝、丞は激しい自己嫌悪に陥っていた。
准とは、もう愛し合わないと誓ったのに。
そのためにも、見合い相手の茜と将来は結婚すると決めたのに。
「准、ったら。まだ起きて来ないのかしら」
母が、席を立って准を起こしに行こうとする。
丞はそんな母に、声をかけた。
「母さん、よかったら今日は、准に学校を休ませて病院へ行ってくれないかな」
「あの子、どこか悪いの?」
「最近、フェロモンがちょっとキツいみたいなんだ。薬飲んでも、漏れるくらい」
「あらやだ、大変」
学校で何かあったら事だわ、と、母はすぐさま病院に予約を入れている。
すみません、母さん。
学校で、ではなく、俺との間に何かあってしまいました。
昨夜の自分の失態を思い出し、丞は眉間に皺を寄せた。
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