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第六章・9
「もしもし、秀斗?」
准は、自分の部屋で秀斗に電話をかけていた。
『もう。心配したよ? 大丈夫なの?』
昨夜、ラインにメール、電話と准に猛襲をかけていた秀斗。
だが、准はそれらのどれにもリアクションを返さなかったのだ。
「心配? どうして?」
『もう~! 昨日、お兄さんのお見合い現場から飛び出していったきりで、帰ってこなかったじゃないか』
「あ、そうか」
心配してくれて、ありがとう。
准は、素直にそう答えた。
「でも、大丈夫だから」
(兄さんに、昨夜いっぱい愛してもらったから)
それはさすがに、心の中にとどめた。
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